この間ドライアイスとエタノールで作った究極のステーキを記事にしました。
ステーキの付け合せとして何か面白そうなものを探していたら究極のフライドポテト(フレンチフライ)なるものがあったんですね。
さらにGoogleで探しているうちに恒温調理を使った方法があったので、作ってみて記事にすることにしました。
究極のフライドポテトとは
究極のフライドポテトといえばイギリスの三ツ星シェフであるヘストン・ブルメンタールが考え出した「Triple Cooked Chips」という、湯でる→冷凍→揚げる→冷凍→揚げる工程。こちらは英語のwikiにも載っています。
一方Modernist Cusineのチームが考えたものは超音波振動が付いた浴槽にて揚げる方法でした。超音波によるキャビテーションでじゃがいもの表面に小さな亀裂を入れ、デンプンを効果的に表面に放出させ、揚げた時の食感を良くする方法です。
また、じゃがいもデンプンを真空パックによってじゃがいもに添加するという方法もとています。
Starch-Infused Fries | Modernist Cuisine
とまあ超音波バスで揚げるとか、じゃがいもデンプンを添加するのもはや家庭では無理ですので、今回は「Triple Cooked Chips」をブライン液と恒温調理で改良した方法で作ります。一部究極のポテトフライを目指して〜三段階に調理したフライドポテト〜 | 食育通信 onlineの工程もブレンド
材料
はい、こちらが材料になります。
フライドポテトなのでジャガイモと塩は当然。あとは重曹と砂糖くらいかな
ジャガイモを選ぶ
ジャガイモをたくさん買ってきたわけですが、全部使えるわけじゃないんですね。フライドポテトに最適なじゃがいもは水分が多すぎても少なすぎても駄目なので、まずはこちらの方法でジャガイモを選別します。
水分量が多すぎるじゃがいもを除く
1リットルの水に90gを入れて、沈むジャガイモのみを選別し浮かんだジャガイモを除外します。
これはOK
これはNG
水分量が少なすぎるじゃがいもを除く
1リットルの水に120gを入れて、浮かぶジャガイモのみを選別し沈んだジャガイモを除外します.。
OK
NG
最後に生き残ったジャガイモたちがこちら(右)です。
いわばポテト専用機のエリートジャガイモたちです。
ブライン液を作りジャガイモをパックする
ブライン液を作ります。
成分
水:1リットル
塩:15g
グラニュー糖:2.5g(もしくは10gのグルコースシロップ)
重曹:2.5g
https://www.chefsteps.com/activities/thick-cut-french-fries より
グラニュー糖はじゃがいもに甘みを加えるため。重曹はphをあげ後の工程でメイラード反応を促進しやすくすると共にペクチンの分解を促進してホクホクした食感を出すためです。
ジャガイモを18mmの太さにきり(切れてません)
ジップロック(耐熱温度のためお手軽バック以外のジップロック必須)に入れ、ブライン液も入れます。
ANOVAで88℃25分
元のレシピは90℃で25分ですが、残念ながらANOVAは90℃になると「ピーーー」と悲鳴を上げて停止するので88℃でやります。ペクチンの分解温度は80度以上、ジップロックの耐熱温度は100℃なのでいけるっしょ。
ちなみにわたくしSansaire Deltaの事前購入致しました。2017年7月発売で届いたらレビュー予定。なので今からANOVA買う人は待ったほうがいいかも。
1度目の冷凍・乾燥
ブライン液から取り出しワイヤーラックの上に置いて(ケーキラックで代用)、爪楊枝で1つづつ穴を開けます。
乾燥しやすくするためです。
1時間冷凍。
この工程で表面を乾燥させます。
1度目の揚げ
1度目の揚げは130℃で8分
はいできあがり。
2度目の冷凍・乾燥
もう一度冷凍庫で冷凍、乾燥させます。この状態で数か月ポテトは持ちます。
時短レシピ~~
どうした。急にでてきて。
冷凍庫に入れなくても、エタノールとドライアイスで作った超低温の液体があれば・・・
なるほど、その手があったか。
というわけでウル〇〇マンのアドバイスに従って、-78℃の液体に1分ほどポテトをつけます。
はい冷凍完了。ウル得技ですね。
乾燥目的の冷凍がこのエタノール+ドライアイスで代用できるかは保証できないので普通に冷凍がベター
2度目の揚げ
最後には190℃の温度で揚げていきます。
出来上がりやや、やり過ぎた?
まあ元もこんなものだし
許して
実食
外はサクサク。中はじゃがいもの甘味(グラニュー糖でブーストしてますが)で上手い。
うまい!マクドナルドのポテトよりはうまい!
ただここまで手間かける必要があったのかというと(略
海外のフォーラムでは「揚げたてがおいしいポテトなんてサルでも作れるわ」と言われていたので、このポテトの真価はやや冷めたところにあるのでしょう。
ちなみに今回の一番手間がかかる工程はじゃがいもの選別ですが、それを感じ取れる舌が自分にあるとは思えないので、もし次回があるならじゃがいもの選別は省きます。
黒龍しずくのシャーベット
ステーキもフライドポテトも作り終わった後、まだドライアイスが余っていたので超低温液体を作り出せる余裕がありました。
折角なのでレストランのパフォーマンスで見るような液体窒素でシャーベットを作る真似ごとをします。
使う酒は黒龍しずく
市場価格が定価(720ml5000円)の3倍くらいするプレミアムな日本酒です。
金属のボウルに入れて超低温液体につけながらかき混ぜていきます。あたりまえだけどミトンはしてくださいね。
だんだんジェラート状になり
シャーベットに。
ほい。
食べる!
お酒!
以上!
砂糖加えてもいいかも。
もっとアイデアがあれば日本酒尽くしのデセールプレートが生み出せるのに!今後の課題。プレミアム日本酒で作ったデセールプレート、祇園とかにある1食~万円のコースの締めとしてよさそうじゃね?
おまけ ANOVA VS ドライアイス
ANOVAで温めたお湯に余ったドライアイスを粉末にして入れる。
うわああああ
うわああああああああああああ
終わり。
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