ガンベロ・ロッソって知ってます?まあ勿論皆さんご存知だと思うのですが、一応説明させてくだい。
イタリアでレストランの格付け本を出しているグルメ専門の出版社で、まあ平たく言うとイタリア版ミシュランです。その他にもワインの格付け本や料理番組や料理教室なども扱っています。
とまあイタリアではミシュランよりも権威があるとされているガンベロ・ロッソですが、月刊誌も発行しているんですね。
2008年3月号でローマにおけるカルボナーラの美味しい店ランキングみたいな企画をしたんですよ。そこで堂々1位を獲得したのが今回紹介するレシピ元のレストランRoscioliになります。
Roscioliのカルボナーラのレシピと材料をめぐる旅
今回は結構苦労しました。というのもですね、何個か出てくるんですRosciolinのレシピ。ここからレシピ集めの苦労を語るだけなので、興味ない人は飛ばしてください。
一つ目のRoscioliレシピ
2017年1月3日に公開されているこの記事ですね。経営者?のAlessandro Roscioliによって書かれたレシピです。1人前の材料は
・スパゲットーネ:100g
・グアンチャーレ:50g
・ペコリーノロマーノ:62.5g(37.5gソース、25g仕上げ)
・ペコリーノフォッサ:10g
・卵黄:5/4個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:適量
だいたいのものは持っているんですけどね、ペコリーノフォッサ(カチョディフォッサ)が全然手に入らない。
チーズ専門店や大き目のデパートも全く扱ってませんし。ネットの通販サイトも扱っているのは数店舗のみ。しかも全部売り切れ。
完全なレシピ再現をモットーとしているので、手に入れたい。しかし手に入らない。天下のグーグル様を駆使しても手に入らないなんて許せない。最後には兄弟がイタリアに住んでいる女の子に頼んで、帰省時に買ってきてもらおうとしていました。
そうこうするうちに数週間たってマカオに行く途中何気なく検索したところ、再入荷してる!
これで材料が全部そろった!!とウキウキしてたんですね。
んで、念のため第一のレシピの確認をしようとしてGoogle検索してたらこんなサイトを見つけたんですよ。
まあイタリア語なんでざっとしかわかりませんが、イタリアでカルボナーラの作り手のトップ2人に話を聞こうという記事です。1人は前述のAlessandro Roscioli、もう1人はLuciano Monosilioです。Luciano Monosilioは別名カルボナーラキングとして有名なシェフであり元々Roscioliでも働いていました。カルボナーラキングの経歴やレシピは以前記事にしたので興味ある人はどうぞ。
話それました。そこで対談形式でお互いのレシピについて語ってたんですが
— Roscioli : “4 etti di spaghettoni Cavalieri, quelli spessi quasi il doppio dello spaghetto normale, 4 tuorli, 1 albume, 160g di guanciale, 200g di formaggio, pepe”.
— Roscioli : “Su 200g, uso 160g di Pecorino romano, 20g di Pecorino di Fossa, per avere una nota più acida, e 20g di Parmigiano.Se il Pecorino romano è troppo sapido, come spesso succede in estate, uso il Moliterno, più dolce”.
材料の配分変わってるじゃん!!
4人分が4つの卵黄と1つの卵白となってるし、チーズの配分も「160gのペコリーノロマーノ、20gのペコリーノフォッサ、20gのパルミジャーノ(ペコリーノロマーノが塩辛ければペコリーノモリタルノに変更可)」となっています。
しょうがないのでグアンチャーレの量と卵黄の量から一人分を推定して。
・スパゲットーネ:80g
・グアンチャーレ:40g
・ペコリーノロマーノ:40g(24gソース、16g仕上げ)
・ペコリーノフォッサ:5g
・パルミジャーノ:5g
・卵黄:1個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:適量
これが第一のレシピの亜系です。実質卵黄に対する卵白の比が増えたのと、チーズが3種類になっただけ。
二つ目のRoscioliレシピ
そうこうしているうちにネットの海に別のレシピが浮上します。
どうやら実は2016年6月に「Roscioli. Il pane, la cucina e Roma」というレシピ本?ファンブック?を出版、そこにもカルボナーラのレシピが載っているんですね。
・スパゲットーネ:90g
・グアンチャーレ:60g
・ペコリーノロマーノ:52.5g
・パルミジャーノ24ヶ月熟成:10g
・卵黄:1個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:5g
これが2つのレシピの材料らしい。そして見ていたらあることに気づきます。
チーズ多くね?
そうなんです。このレシピはですね。パスタや卵の量に対してチーズが異様に多いんですね。同じカルボナーラのレシピでもイタリアのレシピは日本のものに比べてチーズの分量が多い傾向にありますが、それにしても多い。
実際作ってみたらパスタを投入する前のソースの粘度はこのようになりました。
うーんやっぱり多すぎね?結局茹で汁ぶち込みまくってスーパー濃厚なカルボナーラができました。
ただ実はレシピの詳細に一部はソースに残りを仕上げにって書いているのかもしれない。でもイタリア語だからグーグル翻訳に叩き込んでもよくわからない。
英語バージョンのレシピ本をイタリアのよくわからないサイトから購入する
さきほどの「Roscioli. Il pane, la cucina e Roma」は「Antico Forno Roscioli: A Roman Gastronomical Experience」という英語バージョンも存在していることに気づきます。
しかしイタリアamazonには英語版のKindleがなかったんですね。アメリカamzonにもない。(何故か今は普通に売ってるけどね)
しょうがないから英語バージョンをグーグルに入れて売っているところを探したら,たぶんebook的なのを売ってるイタリアサイトにたどり着く。一応飛べるようにしてますけどよくわからないので例えフィッシングサイトでも責任は負えません。
んで、グーグル翻訳でちまちま未知のサイトにクレジットカード情報を叩き込みながら
買えました。このあと不正請求とかガンガン来てもオラ知らね。
英語のレシピを読むものの
総分量はネットに載っていたので、只々詳細な作り方を調べるためだけに買ったこの本。レシピ本というより写真集みたいな作りです。
お目当てのカルボナーラのレシピを読むと
whisk the eggs in a plastic bowl– plastic is better as it doesn’t heat easily.
Add a handful of grated cheese and the freshly ground pepper and mix
一掴みのチーズと引き立ての胡椒をかき混ぜた卵に・・・
あのさぁ、ちゃんとgで書こうよ!ガキじゃないんだからさぁ!
Handfulは120ccなので削ったチーズで言うと約48gなんだけど、
・スパゲットーネ:90g
・グアンチャーレ:60g
・ペコリーノロマーノ:52.5g(12gソース、仕上げ40.5g)
・パルミジャーノ24ヶ月熟成:10g
・卵黄:1個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:5g
こうか?これは逆に少なすぎるだろ。実は一掴みのくだりが一人分のレシピの説明としたら
・スパゲットーネ:90g
・グアンチャーレ:60g
・ペコリーノロマーノ:52.5g(48gソース、仕上げ4.5g)
・パルミジャーノ24ヶ月熟成:10g
・卵黄:1個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:5g
こうか?これならあんまり元レシピと変わらん。どっち?
てかさ~ここまで労力を割いてレシピを手に入れたのにこの仕打かよ。許せん
てなわけで、Roscioliのお問い合わせフォームに
「あのさ~君のところのレシピ本買ったんだけどさ、チーズの量多くね?ソースと仕上げに分けるの?ハンドフルって具体的にどれくらいよ。あとネットにレシピ1が公開されているけどどっちが今のレストランのレシピに近いの?」
って送りました。返事返ってくるかな~
まとめ
てなわけで集めたレシピは
・スパゲットーネ:100g
・グアンチャーレ:50g
・ペコリーノロマーノ:62.5g(37.5gソース、25g仕上げ)
・ペコリーノフォッサ:10g
・卵黄:5/4個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:適量
上記レシピの亜型
・スパゲットーネ:80g
・グアンチャーレ:40g
・ペコリーノロマーノ:40g(24gソース、16g仕上げ)
・ペコリーノフォッサ:5g
・パルミジャーノ:5g
・卵黄:1個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:適量
もう一つのレシピ
・スパゲットーネ:90g
・グアンチャーレ:60g
・ペコリーノロマーノ:52.5g(ソース、仕上げの比率不明)
・パルミジャーノ24ヶ月熟成:10g
・卵黄:1個分
・卵白:1/4個分
・胡椒:5g
となります。とりあえずRoschioliの返事待ちかな。返信があるもしくは1週間ほど待って返事なければ試しにどっちも作ってみます。
返事ないから作りました
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